メモリー雑学


データ復旧のプロが教えるデータ復元から消去までの豆知識:OntrackNow

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 ■■      ■             ■      豆知識  Vol.03-09
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=============================================================2005.09.30=========

今月はメモリーについてちょっとお勉強をしてみます。

まずは、Flash Memory Card 使用上の注意点を
次に、USBメモリーをこれから買おうという、使っている方への注意点を
最後に、メモリーモジュールに関わる用語を羅列してみる事に致します。

【Flash Memory 使用上の注意事項】

  データ回収の依頼を受ける媒体のほとんどは、物理的な障害が発生したものです。

  第1位  媒体の一部に読出し不能な箇所が発生したもの。
  第2位  インターフェース部分の素子が破壊されたもの。
   ・
   ・   大きく離れて
   ・
  第3位  水没/洗濯

- 静電気に大変弱い媒体である事

  CFを除き、端子が露出しています。 媒体を扱う前には、除電処置をして下さい。
  (ドアノブなどアースの取れた金属物に触れ、体に溜まった静電気を逃がす)

- 端子面を汚さない様にして下さい。

  端子面に曇りが出たら、工業用アルコールで端子面を拭いて下さい。

- 媒体に無理な力が加わらない様にケースにいれて持ち運んでください。

  Smart Media/xDはモールドされ、直に端子にボンデリングされます。
  その他の媒体も非常に薄いグラスエポキシの基板上にICがマウントされて
  いますので、曲げが加わるとメモリ・チップが折れたり、ICの足の半田付けが
  取れたり、バターンが切れたりという障害の元になります。

- 小さな媒体ですので、落とさない様に気を付けて下さい。

- Flash Memoryには寿命があるのを忘れない事

  Flash Memoryと呼ばれるものは素子上の微細なコンデンサに蓄積される
  電荷の有無を“0”か“1”に置き換えるメモリー素子です。 電荷を抱かせるには
  読み出しよりも遥かに高い電圧を加えますので、セルは徐々に劣化してゆきます。
  書き換え可能回数は1万~10万回と言われ、決して大きな値ではありません。
  また、このメモリーの特性上、書込みはブロックでしか行えませんし、ファイル
  システム自体の書込み制御もクラスターというI/Oの最低単位で行いますので、
  通常1回のファイル操作で最も負荷の掛かるROOTディレクトリは数回の書込みが
  発生する可能性を持っています。 例えば1日に20ファイルを作ったり、変更
  したりした場合、100日~1000日しかもたない事になります。
  また、例え製造試験を通ったからと言え、正常だった箇所の劣化率は製造上の
  ばらつきから全く同一ではありません。 場合によってはあっと言う間に劣化する
  事もありますので、バックアップは不可欠です。 小まめにPCにバックアップを
  取られる様お勧めします。

- 水に落とした場合は、乾かしたり、通電したりしないで下さい。
  誤って洗濯してしまった場合も同様です。

  完全封止型のSmartMedia、xDの場合は、アルコールで洗浄し乾けば
  そのまま使って頂いて問題はありません。

  これ以外の媒体は、必ず内部に水が浸入しますので、分解して処置する技術がない
  限り、通電しないで下さい。 外部から強制的に乾かした場合、急速に錆が発生し、
  通電した結果素子を破壊してしまう事があります。
  データを救いたい場合は、濡れたままで、水が外部に漏れぬ様処置してデータ回収
  業者へ依頼して下さい。 これも時間との勝負になる場合がありますので、急いで!

【USBメモリーをお使いの皆さんへの注意事項】

- 飼い犬にご注意。

  犬を飼っておられる方は、置場に注意して下さい。 犬が玩具と間違って噛んで
  しまったという事故が実際に起きております。

- 首折れにご注意。

  スティックタイプのものではコネクタの首の部分で基板が割れているもの、
  基板パターンが剥離してしまっているものが結構入って参ります。
  USBポートに挿したままPCを動かして引っ掛けてしまった、上から押さえて
  しまった、物を落としてしまったというケースが多い様です。
  これを避けるには直接ポートに挿さずに短い延長ケーブルを使うのがよいでしょう。
  USBコネクタ自体の許容挿抜回数も4桁はないはずですので、この尻尾を付けて
  おけば、本体コネクタを壊さずに済みます。

- 挿抜タイミングにご注意!

  エクスプローラから「取り出し」もしくはタスクトレーのUSBアイコンから
  「~媒体の取り外し」で、“安全に~”というメッセージが出る迄待ってから
  取り外して下さい。 これを守りませんと、ファイルが開けなくなったり、
  ファイル構造が壊れ、次回“フォーマットされていません~”というメッセージの
  お世話になる恐れがあります。

- 静電気にご注意! 素子ものですので、細心の注意をしてください。

- 忘れ物にご注意!

  小さなものですから、置忘れや落とす可能性が十分にあります。
  PCとの間での同期バックアップは元より、USBメモリーについては暗号化は
  必須です。 但し、全体の暗号化は避け、フォルダ配下とするかトランクファイルが
  作れるタイプの暗号化ソフトを使い、見せる部分と暗号化する部分を分ける方が良い
  でしょう。

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  USBメモリでは“飼い犬~”は別ですが、他はFlash Memoryの発生率と
  ほとんど同じです。
  少ないとは言え、“飼い犬~”も既に3件依頼を受けておりますので、
  巷では結構ある事件なのではないでしょうか。

  メモリーカード/USBメモリー共に最近は料金(価格)競争が激しいため、製品の消長が酷く、
  また、同一シリーズ、同一型式でもロットが違えば中の基板は別物というものが
  ほとんどとなっています。 この為、コントローラチップの電気的損傷が原因で
  認識不能、読出し不能となり、チップの交換が必要となった場合、同じパーツの
  入手が出来ないため、回収の可能性はほとんどなくなっています。

  バックアップはご自身の責任で行う事!!

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  余り廉価なものに飛びつかない事(Card/メモリー共に)

  最近の急速な料金(価格)低下の要素の一つにはランク外品の使用があります。
  欠陥があるものを、欠陥部分はスキップして使用するような情報を書き込むことで、
  例えば、元々は2GBの容量のICチップを使用可能容量を1GBとして使用する
  手法です。
  これは本来のICチップの仕様を満たせない為、ランク外品となりますが、1つ下の
  容量としては使用可能ですので、これを活用するとコストダウンが可能になります。

  これは有名ブランド品でも行われていることですが、安メディアの場合はそれ以外
  にも実使用上問題ないと判断した規格を、有名ブランド品より引き下げる事により
  低料金(価格)化を実現しています。 残念ながら外観からでは判断が出来ないメディア
  ですから、使用目的によって有名ブランド品を使うかどうかを判断されることを
  お勧めいたします。

  あ、ひとつ付け加えて・・・

  Music Player/Voice Recorderなどを購入される際は、
  “USBマス・ストレージ・クラス対応”のものを選ばれる事をお勧め致します。
  メーカーお仕着せのソフトを使わずに済み、エクスプローラ上で操作出来ますので
  自分の思う様に利用出来ます。 お仕着せのソフトをプロテクション代わりに使う
  というのであれば別ですが(^^)

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【メモリーの種類】

・ SRAM    (Static Random Access Memory)

  半導体記憶素子の一つであり、トランジスタ・フリップフロップ回路で“0”か
  “1”の状態を保持し、これを1ビットに対応させたものを指す。 フリップ
  フロップ回路は加える信号により2つの状態が交互に変化する様に出来ている。
  これは大規模集積回路の基本素子を構成するもので、CPU/メモリー等の中で
  記録回路に使用される。 この回路は記憶保持の為の動作を必要とせず、且つ
  高速に動作するが、回路が複雑であり、集積度を上げにくいという欠点がある。

・ DRAM    (Dynamic Random Access Memory)

  半導体記憶素子の一つであり、コンデンサとトランジスタで構成されるメモリーセル
  に電荷を蓄える事で情報を記憶するものである。
  電荷は時間と共に減少し、一定時間毎に記憶保持の為の再書込み(リフレッシュ)を
  行わねばならない。 このタイプは電源の供給が停止されると記録は全て消失する。
  また、起動(電源投入)の際にセルの電荷がどちらにトグル(“0”または“1”)
  するかは保証されない。

 - DRAMの規格 (名称・仕様)

   名   称  メモリ   転送クロック 転送幅   転送レート
   PC66          SDRAM          66MHz       64BIT     528MBIT/sec
   PC100         SDRAM         100MHz       64BIT     800MBIT/sec
   PC133         SDRAM         133MHz       64BIT     1064MBIT/sec
   PC700         RDRAM         700MHz       16BIT     1400MBIT/sec
   PC800         RDRAM         800MHz       16BIT     1600MBIT/sec
   PC1066        RDRAM        1066MHz       16BIT     2132MBIT/sec
   RIMM4200      RDRAM        1066MHz       32BIT     4264MBIT/sec
   PC1600        DDR-SDRAM     200MHz       64BIT     1600MBIT/sec
   PV2100        DDR-SDRAM     266MHz       64BIT     2128MBIT/sec
   PC2700        DDR-SDRAM     333MHz       64BIT     2666MBIT/sec
   PC3200        DDR-SDRAM     400MHz       64BIT     3200MBIT/sec
   PC2-3200      DDR2-SDRAM    400MHz       64BIT     3200MBIT/sec
   PC2-4200      DDR2-SDRAM    533MHz       64BIT     4267MBIT/sec
   PC2-5300      DDR2-SDRAM    666MHz       64BIT     5333MBIT/sec
   PC2-6400      DDR2-SDRAM    800MHz       64BIT     6400MBIT/sec

  <転送方式を示す呼称>

 - FPM DRAM(Fast Page Mode DRAM)

   クロック非同期の転送法を取るIntel486時代のメモリー。

 - EDO DRAM(Extended Data Out DRAM)

   クロック非同期の転送法を取るが、CAS信号保持回路を追加し、データ読み出し
   タイミングを前倒しできるようにしたもの。

 - SDRAM(Synchronous DRAM)

   前世代のメモリーがアドレス信号の制御でタイミングを取る非同期型であるのに
   対し、クロックに合わせて動作する同期型のものである。
   アドレス信号の送出と転送を交互に行ってタイミングを取る必要はなくバースト
   転送である事を指示すれば、あとはクロックに同期して転送が行われる。

  <メモリーチップ実装方式を示す呼称>

   メモリーモジュールは実装面積を極小とする為、複数のメモリーチップをバス構成
   に合わせた配置で小基板上に実装し、その基板の片側にバス接続端子を配置した形
   を採っている。 端子が表裏共に同じ一列のものをSIMM、両面が有効なものを
   DIMMと呼ぶ。

 - SIMM(Single In-line Memory Module)

   古いPC(~Intel-486)で使用されていたメモリー・モジュールで、
   8ビット型50ピンと32ビット型72ピンがある。

 - DIMM(Dual In-line Memory Module)

   64ビットバスのPentium移行により64ビット幅のバスを持つDIMMが
   主流となり、SDR-SDRAMでは片面に84個の端子を備えた168ピン型が
   DDR-SDRAMでは184ピン型が、DDR2-SDRAMでは240ピン型が
   使用されている。

 - RIMM(Rambus In-line Memory Module)

   メモリーチップにDirect RDRAM(Rambus DRAM)を使用したメモリーモジュール。
   Direct Rambus ではRambus チャネル(メモリーバス)は必ず終端迄接続されて
   いなければならない仕様の為、空きスロットには端子間接続の為だけのモジュール
   (C-RIMM=Continuity RIMM)を挿さねばならない。

・ ROM     (Read Only Memory)

  読出し専用の記憶素子。 一度書込みを行うと、その状態を変える事が
  出来ない。 製造過程で固定的内容を書き込むものと1度だけ電気的に
  書込みが行えるものがある。

・ EPROM   (Erasable Programmable Read Only Memory)

  記録の書込みと消去が行えるROM。 記録の消去に読出し時とは全く異なる特殊な
  方式を採る。 記録の消去に紫外線を用いるUV-EPROMと電気的な方法で消去
  が可能な、EEPROMに分かれる。

・ EEPROM  (Electronically Erasable Programmable Read Only Memory)

  電気的な手法で内容の消去が可能なEPROM。 内容の変更には通常より高い
  電圧を印加する事で行うが、部分的な書き換えは出来ない。 また、過電圧印加
  による劣化の為、書き込める回数にも制限がある。 素子自体の製造安定性から
  書込み回数は1万~10万回程度のものである。

  俗にFlash Memoryと呼ばれるものはこれに含まれる。

【Flash Memory カードの種類】

  1987年に東芝が開発したNAND型フラッシュメモリーの応用製品と各種の
  カード型メモリー媒体が製品化されており、廉価化の加速とともに、FDD/MO/
  CD/ディスクに代わる保管・運搬用記録媒体として、多く使用される様になって
  いる。 プログラムを格納する目的で開発されたNOR型フラッシュメモリーとは
  異なり、消去や書込み速度が速く大容量化に適した仕様になっているが、ブロック
  単位でのアクセスしか出来ず、ランダムアクセスが遅いという欠点がある。
  ファイルを扱う上ではこれはそれほどデメリットとはならない為、デジタルカメラ、
  ボイス・レコーダ、Musicプレーや、USBメモリーなどに使用されている。

・ CF      (CompactFlash)

  San Diskが1994年に開発、CFA(CompactFlash Association)
  が管理推進する小型メモリーカードの規格。

  PCカードの規格をベースに Flash Memory の実用化に併せて小型化を図ったもので
  68ピンのPCカードに対して、50ピンだが、電気的な特性は互換性を持つ為、
  変換用のカードを用いて直接PCカードスロットに装着する事が出来る。
  使用しているプロトコルもPC Card ATA互換なので、PCからは
  リムーバブル・ディスク・ドライブとして使用可能。 サイズが大きいだけに
  大容量のカード迄揃っている。

・ Smart Media

  東芝によって提唱された切手大(45H*37W*0.75D 重量1.8g)のフラッシュメモリーの
  規格。 PDAやデジタルカメラの記録媒体として使用された第一世代のもの。
  このカード自体にはメモリーの制御回路を持たないため、PC等に接続するには
  回路を内蔵したアダプタカードが必要となる。

・ xD-Picture Card

  2002年、オリンパス光学と富士写真フィルムが共同開発、発売したメモリー
  カード。現在の所、20H*25W*1.7D というサイズは世界最小である。 将来的には
  8GBまで拡張する計画がある。

・ SD Card (Secure Digital Memory Card)

  1999年にSanDisk、松下電器産業、東芝の三社が共同開発したメモリー
  カードの規格。 音楽のオンライン配信等に適した著作権保護機能「CPRM」
  (Content Protection for Recordable Media)を内蔵しており、携帯音楽機器の
  記憶装置としての需要を見込んでいる。
  SD Cardの仕様は SanDiskのメモリーカード「MMC」(Multi Media
  Card)の仕様をベースとしている為、MMCはSD対応機器でも使用可能だが、
  著作権保護を必要とする音楽データ等は書けない様になっている。
  CF/SM/xDとは異なり、データ転送はシリアル系であり、内部に専用の
  コントローラが内蔵されている。 サイズ的には32H*24W*2.1D。

・ mini SD Card

  2003年にSanDisk社が発表したメモリーカードの規格でSDカードの
  サイズを縮小したもの。 携帯電話、携帯音楽再生装置の記憶媒体としての市場を
  狙ったものである。
  サイズ的には21.5H*20W*1.4D 重量約1gというもので、発表時点では世界最小の
  記録媒体だった。
  サイズの関係からSDカードにあるライトプロテクションスイッチは省かれているが
  将来的拡張の為、端子は2本追加されている。

・ Memory Stick

  ソニーが提唱・製造している、フラッシュ・メモリー型記録媒体。
  これもSD同様シリアル系のデータ転送方式を採る。

・ USBメモリー

  USBの規格には、「USB・マス・ストレージ・クラス」という、ハードディスク
  などをリムーバブル・ディスクとして認識する為の仕様がある。

  この仕様に沿って作られたフラッシュ・メモリーを使用した媒体をUSBメモリーと
  呼ぶ。
  最近のOSではUSB・マス・ストレージ・クラス対応のドライバーが実装されて
  いる為、ドライバーのインストール等が不要であり、利便性が高まり、急速に一般の
  ユーザーに使用される様になった。

                                     以上

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